ビジネス

唐津コスメティック構想とは

JCCと企業誘致・商品化を解説

佐賀県唐津市が推進する唐津コスメティック構想を深掘り。推進母体JCCの役割、化粧品関連企業10社の誘致実績、椿油やみかんの花を使った商品化事例、佐賀大学との連携や海外ネットワークを公式情報から解説します。

唐津コスメティック構想をイメージしたグラデーションのカバー画像
編集部
からつポータル編集部

地域ポータル運営歴のある編集部が一次情報・公的機関データをもとに執筆。編集方針

この記事のポイント

  • 1唐津コスメティック構想は、フランスの化粧品メーカーとの出会いをきっかけに、JCCを推進母体として進められてきた
  • 2これまでに化粧品関連企業10社を誘致し、49社173種類の商品が商品化されている(唐津市公表資料・令和6年度末時点)
  • 3佐賀大学との連携協定や海外6カ国のコスメ産業団体との連携協定により、産学官・国際的なネットワークが広がっている

佐賀県唐津市では、玄界灘の恵みや松浦川流域の農産物といった地場産業に加え、「唐津コスメティック構想」という新しい産業づくりが進んでいます。唐津市の産業全体像は唐津の産業ガイドで紹介した通りですが、この記事では唐津コスメティック構想そのものにスポットを当て、推進母体であるジャパン・コスメティックセンター(JCC)の役割、企業誘致や商品化の実績、産学連携・海外連携の広がりを、唐津市公式サイトなどの情報をもとに詳しく解説します。

唐津コスメティック構想とは――フランスとの出会いから始まった構想

唐津コスメティック構想は、唐津・玄海地域を中心に美容・健康産業の集積地をつくり、化粧品に関連する自然由来原料の供給地となることを目指す取り組みです。唐津市の公表資料によると、構想のきっかけは平成24年(2012年)1月、天然素材を使ったフランスの化粧品メーカーが唐津を訪れたことにさかのぼります。翌2013年4月には、フランスのコスメティックバレー協会と唐津市が協力連携協定を締結し、同年11月には産学官連携組織「ジャパン・コスメティックセンター(JCC)」が創設されました。JCCは2015年4月に一般社団法人へ移行し、現在まで構想の推進母体として活動を続けています。

推進母体JCCの4つの柱

JCCは企業・大学・行政(佐賀県・唐津市・玄海町)で構成される産学官連携組織で、その活動は大きく4つの柱に整理されます。1つ目は農林水産物など地元素材を生かした原料供給・商品開発、2つ目は企業誘致や起業支援などの産業集積、3つ目は共同研究や人材育成などの環境整備、4つ目は海外との商取引拡大です。地域資源を生かした経済活動の活性化と雇用創出を掲げ、単なる企業誘致にとどまらず、原料調達から商品化、海外展開までを一体で進めている点が特徴です。

企業誘致の実績――市内に集積する化粧品関連企業

企業誘致の面では、唐津市の公表資料によると、これまでに市内へ10社の化粧品関連企業が誘致されています。代表例として、株式会社ブルームや松浦通運株式会社、株式会社トレミー、岩瀬コスファ株式会社、株式会社クレコス、東亜製薬株式会社などが挙げられます。これらの企業が原料調達から製造・OEM/ODMまでを担うことで、唐津・玄海地域内で化粧品づくりの一連の工程が完結しやすい環境が整いつつあります。仕事探しの観点からこうした企業に関心がある方は、唐津の仕事探しガイドもあわせてご覧ください。

商品化の実績――椿油・みかんの花・ホーリーバジル

もうひとつの柱が、地元素材を活かした商品化です。唐津市の公表資料によると、令和6年度末時点で49社173種類の製品が商品化・販売されており、このうち唐津産の素材を使った製品は36社132種類にのぼります。具体的には、椿油を使った石けん・化粧水・バーム・リップクリーム、みかんの花を使った化粧水・フェイスマスク、ホーリーバジルを使ったボディオイル・化粧水などが商品化されています。耕作放棄地の活用を目的とした原料開発プロジェクトも進められており、農業や耕作地の課題解決と化粧品産業の育成が結びついている点も唐津コスメティック構想の特徴です。

産学連携と海外ネットワーク――佐賀大学・GCC Asiaなど

構想を支えるもう一つの柱が、大学との連携と海外ネットワークの構築です。JCCと佐賀大学は令和3年6月に化粧品科学講座を開設し、令和6年3月には「化粧品科学に関する連携協定」を締結しました。専門人材の育成を通じて、地域内で化粧品の研究開発を担う人材を継続的に輩出する体制づくりが進められています。

海外との連携では、JCCはフランス・イタリア・スペイン・台湾・タイ・韓国の6カ国のコスメ産業団体と連携協定を結んでいます。令和6年5月には国際組織「GCC Asia」が発足し、JCCの会長が初代会長に就任しました。COSMEX 2025(タイ)への出展や、Cosmopack 2026(イタリア・ボローニャ)への参加が予定されるなど、唐津発のコスメティック構想は国際的なネットワークの中で存在感を高めています。

唐津の産業の中でのコスメティック構想の位置づけ

唐津コスメティック構想は、水産業・農業・唐津焼といった唐津の伝統的な産業とは異なる、新しく育てられている産業です。ただし、椿油やみかんの花、耕作放棄地の活用といった原料調達の面では、地場の農業や地域資源と密接に結びついています。唐津全体の産業構造の中でコスメティック構想がどのような位置づけにあるかを俯瞰したい方は唐津の産業ガイドを、化粧品関連企業への就職や転職を考えている方は唐津の仕事探しガイドをあわせてご確認ください。

Q1. 唐津コスメティック構想とはどのような取り組みですか?

A: 唐津・玄海地域に美容・健康産業の集積地をつくり、化粧品関連の自然由来原料供給地を目指す、JCCを推進母体とした産学官連携の取り組みです。

Q2. JCCとはどのような組織ですか?

A: 企業・大学・行政(佐賀県・唐津市・玄海町)で構成される産学官連携組織で、2013年11月に創設され2015年に一般社団法人化されました。

Q3. これまでにどのくらいの企業誘致・商品化の実績がありますか?

A: 唐津市の公表資料によると、化粧品関連企業10社の誘致と、49社173種類の商品化(令和6年度末時点)が実績として挙げられています。

Q4. 唐津コスメティック構想は海外ともつながりがありますか?

A: フランス・イタリア・スペイン・台湾・タイ・韓国の6カ国のコスメ産業団体と連携協定を結び、国際組織GCC Asiaの発足にも関わっています。

知っておきたいポイント

  • 1JCCの企業向け情報や商品化事例は唐津市公式サイトの「コスメティック産業振興室」ページで随時更新されるため、最新の誘致企業数を確認したい場合はそちらを参照するとよい
  • 2唐津・玄海地域で商品化された化粧品は道の駅や物産館などで手に取れることがあるので、実際に手にしてみると構想の広がりを実感しやすい
  • 3化粧品関連の仕事に関心がある場合は、唐津市の求人情報やハローワーク唐津で企業名を確認すると、コスメティック構想に関わる求人が見つかることがある
NEXT READ
唐津市の産業をイメージしたグラデーションのカバー画像

次に読む記事

唐津の産業ガイド

佐賀県唐津市の産業を解説。呼子のイカに代表される水産業、佐賀牛やみかんの農業、唐津焼、唐津くんちなどの観光業、唐津コスメティック構想まで最新動向を紹介します。

この記事を読む

同テーマでもっと深掘り

別の角度から知る

カテゴリ一覧

ビジネスの記事をもっと見る

他のカテゴリも探す

この記事の信頼性について

著者

からつポータル編集部

最終更新

2026-07-16

本記事は地域ポータル運営の経験を持つからつポータル編集部が執筆。公的機関の一次情報・公式サイトの公開情報を基にリサーチし、 固有名詞・数値はウェブ検索と公式サイトで二重確認しています。詳しい品質管理プロセスは編集方針をご覧ください。

営業時間・料金などの最新情報は変動の可能性があります。実際に訪問される際は各施設の 公式案内をご確認ください。誤りや古い情報を発見された場合は、お問い合わせまでお知らせください。速やかに確認・修正いたします。